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タルタロスオンラインの二次創作小説ブログです。
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    ハッピーハロウィン ~月の綺麗な夜には~

    ロトソマのまったりハロウィンなお話です。


    本文:花京




    ハッピーハロウィン ~月の綺麗な夜には~


    「うあぁぁ~なんだこれはっ!?」
     秋も深まり、綺麗に澄み切った青空が広がる清々しい朝には、不釣り合いな大声と共に、何かがドスンドスンと飛び跳ねているような大騒音が旅館の建物全体に響き渡っている。
    「どうかしたんですか?!シュバルマンさん!!」
     ソーマはシュバルマンの部屋のドアを叩く。慌てて駆け付ける遠征隊面々もソーマの後を追いかけて部屋の前に全員が集結していた。
    「止まる事のないこの騒音、ただ事ではありませんね…ソーマさん下がっていてください。私が術法陣でドアをこじ開けます。」
    「ドアを開けるのは少し待ってくれ!!…ちょっと問題がっ!」
     慌てた様子のシュバルマンの声を他所に、アエルロトは術法陣を広げてしまった。
    「アエルロトさん待ってく…。」
     ソーマが止める間もなく、部屋のドアが吹き飛んだ。
     部屋の中には上半身裸のシュバルマンと女の子。彼は何故かベットの上でトランポリンのように飛び跳ね続けている。その音が旅館全体に響いていたようだ。その傍らに紫色の髪の女の子が楽しそうな笑顔を浮かべて立っていた。
    「だからちょっと待てと言っただろうっ(泣)」
     シュバルマンは飛び跳ねたままで身動きが取れない様子だ。
    「ははは(汗)確かにこの状況…問題ですね。」
     ソーマは部屋の状態を見ると思わず苦笑いを浮かべてしまった。
    「シュバルマン貴方という人は…アレ以外にも、おかしな興味がおありだったのですね。」
     アエルロトが意味深に微笑する。
    「アエルロトさん?!」
     ソーマはおぞましい過去を思い出したのか慌てて彼の口を塞いだ。
    「バルマン~、この子誰なのよっ!!」
    「待ってピンコ…。」
     イリシアが何か言いかけたが、ピンコが怒り隠せない口調で女の子を指差すと、バルマンに問答無用でバズーカをぶっ放した。
     ドカァァァ~ン!!
     派手な音と共にベットごとシュバルマンが部屋の外に飛ばされた。紫色の女の子は更に愉快な笑い声を上げると、そのまま姿を消してしまった。
    「え、あの子…人間じゃなかった…の?」
     ピンコが驚いたように部屋を見回した。
    「…あの女の子、空中に浮いていたわ。」
     イリシアは暗い表情で眉根を寄せるとシュバルマンが落ちたであろう部屋の外へ走り出した。遠征隊の皆を横切った彼女の横顔は蒼白だった。


     シュバルマンの部屋にいた謎の少女は何者だったのだろうか。とりあえず旅館外で気絶している彼を回収して事情を聞いた方が良さそうだ。
    「…お客さんもやられましたか。」
     遠征隊に声をかけてきた旅館の店主さんはため息をついた。
    「店主さん…もしや、先ほどの出来事は過去にも、あの部屋で頻繁に起こっているのですか?」
     アエルロトは店主の口ぶりに何かを感じ取ったのか、話を聞き出すように色々と質問をぶつけていく。口の重かった店主は顔をしかめると、実は……と切り出し始めた。
     シュバルマンの泊っていた部屋は毎年10月になると、不可解な出来事が起こるのだそうだ。客の身に起こる事は大抵、子供のいたずらのようなものなのだが、今日のような大きな音が立つような出来事は今年が初めてなのだそうだ。
    曰くある部屋だったのに何も伝えず迷惑をかけてしまったと、旅館店主さんはもの凄く良い人で、今日のハロウィンパーティの手伝いをしてくれれば壁修理の費用は負担しなくても大丈夫だと言ってくれた。
    「ハロウィンって何ですか…?僕はそういう行事は聞いたことがないです。」
     ソーマはハロウィンパーティを知らないらしい。
    「えぇーっ!これって子供なら知っていて常識の行事だよ?!」
     ピンコは驚いたようにソーマを見つめた。
    「ハロウィンはヨーロッパを起源とする民族行事ですよ、ソーマさん。そうですね…今の大晦日のようなものです。昔の11月1日は万聖節と呼ばれていて、1年の始まりの日とされていました。11月1日の前の晩はこの世と霊界との間の門が開いて、死者が自由にこの世を行き来できる日だと信じられていました、それがハロウィンの始まりだと言われています。」
     アエルロトはサラリとハロウィンの起源を述べてみせた。
    「お化けが歩き回る日だから、それにまぎれて自分達も変装して『トリック・オア・トリート』お菓子をくれないと悪戯するよって、色々な人からお菓子を貰っていいお祭りなんだよっ!」
     ピンコは得意げに胸を張って、ソーマにお菓子の貰い方を伝授している。
    「…墓場の死人が生き返るだと?そんな事、本気で信じているのか。」
     クロモドが小馬鹿にした口調で呟いた。
    「だけど、あの女の子は人間ではなかったわ…。」
     イリシアは静かな声に、クロモドは背筋に悪寒を感じて身震いした。
    「大魔法師様、顔色が悪いみたいだけど大丈夫~?(笑)」
     ルコが茶化すように笑うと、クロモドは鼻を鳴らしてそっぽを向く少し顔が赤い。大魔法師様でも死霊は怖いらしい。彼の態度が滑稽すぎて、遠征隊全員が笑いをこらえきれず、旅館のロビーを盛大な笑い声が包んでいった。


     この旅館では毎年10月31日にハロウィンパーティを開くのが恒例行事になっている。旅館の店員全員で仮装し、子供達だけでなく観光客や村人たちにもご馳走を振舞っているのだそうだ。
    「と、いうわけで、貴方達にも仮装をしてもらいますよぉ~!」
     店主さんは満面の笑みを浮かべると、色々なサイズの衣装を用意していた。
    「なんで、こんなに種類豊富なんだ?どうして俺はオオカミ耳なんだぁ~!!」
    「良く似合っているのに、どこが不服だというのですか?」
     そういって狼男の肩を叩いたアエルロトはドラキュラの出で立ちだ。
    「俺も、アエルロトみたいにまともな衣装が良かったぞっ!」
    「この衣装は大柄なシュバルマンにはサイズが小さいかと。それに…紳士と呼ぶには、いささか人相が悪すぎるかと思われます。」
     アエルロトの毒舌にショックを隠しきれない様子のシュバルマンだった。
    「言いすぎです、アエルロトさんっ!シュバルマンさんは赤毛だから盗賊団の親玉に間違えられるだけです。確かに、紳士的な衣装はアエルロトさんの方が良く似合いますけど。えーと…シュバルマンさんは……野生的な耳と尻尾が可愛いですねっ!」
     ソーマはもの凄く言葉を選んでいるのだが、シュバルマンを励まそうとすればするほど逆効果なのは言うまでもない。ソーマの衣装は中国の妖怪である、キョンシーをイメージしているのだろうか、半ズボンで良く似合っている。
    「二人とも…必死に笑いをこらえるなぁぁ。そして、ソーマが励まそうとしてくれているのは俺にも伝わったが、フォローになっていないぞっ!」
     彼の指摘にソーマは苦笑いを浮かべるしかなかった、ふと窓の外に目を向ける。見間違いだろうか、紫色に光る怪しい何かを感じた。
    「お菓子貰いに行くならピンコも連れて行っていってくれないか?ハロウィンだからって夜中に一人で行動しちゃだめだぞ、人さらいに連れていかれたら大変だ。一応、子供なんだからなっ!」
    「ははは、大げさですよ…。ちょっと部屋に忘れ物をしたので取ってきますね。」
     慌てて客室に向かうソーマの後姿、その様子に不信感を覚えたアエルロトの視線は、自然にその姿を追っていた。
     

     シュバルマンが大惨事を受けた客室、謎の紫色の少女と不可解な事件の起こる部屋。ソーマ一人がこの場所に佇んでいる。ピンコが壁に穴を開けなければ月明かりが部屋に入らず、中の様子は鑑別できなかっただろう。アエルロトは彼の姿を見つけてホッと胸をなでおろしたと同時に、気味の悪い光景に身震いしてしまった。
     薄暗い部屋のソーマの目の前には紫色の光がぼんやりと浮いていて。ゆっくりと付いたり消えたりしながら飛びまわっていた。
    「ソーマさんっ…大丈夫ですか?!」
     思わず体の方が先に動いてしまった。彼を自分のマントの陰に隠すと、かばう様に怪しい光の前に立ちふさがった。彼に危険な事があるのではないかと思うと、いても経ってもいられなかった。
    「あ、アエルロトさん?!」
     まさか、彼が追って来ていると思っていなかったソーマは、驚きを隠せない様子だ。
    「この光は…やはり!この部屋に現れた少女は人間ではない…貴方の正体は『バンシー』ですね。」
     アエルロトが見据えたように光の方向に言い放つと、紫色の光が揺らめくように大きく変化すると、朝この部屋に現れた紫色の髪の少女の姿になった。
    「へぇ。私の正体を見破る人間がいるなんて驚きね。」
     少女は意地悪な笑顔を浮かべると、アエルロトの姿を上から下までジロジロと見定めている。
    「死霊を比べると貴方の力は強すぎる…少し悪さが過ぎてはいませんか?死霊ではなく、魔女のように箒で空を飛ぶわけでもない。少し考えれば簡単です、ハロウィン発祥の地、北欧で有名な女性の妖精『バンシー』という答えしか残りません。」
     アエルロトは不敵な笑みを浮かべる。
    「頑丈なシュバルマンさんならまだしも(酷い)、ソーマさんに危害をおつもりなら、私にも考えがありますが?」
     その言葉に、バンシーは怯えたように身を震わせた。
    「ちょっと待って下さい!アエルロトさん、少し彼女の話を聞いてあげませんか?僕は彼女と話がしたくて、ここに来たんです…。」
     ソーマは真っ直ぐな瞳でアエルロトを見つめた。彼の青い瞳の色は湧きだしたばかりの純水のように澄んでいて、心を奪われる美しさだとアエルロトは思う。
    「…そう貴方がいうのなら。」
     アエルロトが身を引いて頷くと、ソーマはニッコリとバンシーに笑顔を向ける。
    「君はずっと…子供たちと同じようにお菓子が欲しかったんだよね?」
     さし出されたソーマの手には、ハロウィン用に女性陣が作った小さなパンプキンパイが握られている。
     バンシーは少年の行動に驚きを隠せなかった。まさか、人間が自分の心を理解してくれるなんて。
    「うん。本当は私も…お菓子が欲しかったの…ありがとう。」
     パイを受け取ったバンシーは嬉しそうに、そう、小さな人間の少女と変わらない可愛らしい笑顔を浮かべていた。
     彼女が去った客室には不気味な雰囲気は消え、大きく穴の空いた壁から零れる優しい月明りだけが残っていた。
     

     ハロウィンパーティ会場では皆が二人を心配して、辺りを探しまわっていたようだった。
    「アエルロトが消えるのは日常茶飯事だから気にならんが、ソーマが本当に人さらいに連れてかれて、サーカスに売られて見世物にされるかと思った!!」
    「私が居なくても気にならないのですか…残念です。」
     アエルロトはため息をつくと冗談交じりに呟いた。
    「ご、ごめんなさいっ!」
     シュバルマンの必死の表情に、思わずソーマは頭を下げて謝った。探してくれていた他の仲間達も安心したように胸をなでおろしている。やっと事の重大さを思い知ったソーマとアエルロトの二人だった。
     こうして、ハロウィンパーティ会場に戻ったアエルロトだったが、先ほどの出来事に終始、納得できない表情を浮かべていた。
    「なんで、バンシーがお菓子を欲しがっているって分かったのですか?」
     アエルロトの突然の質問にソーマは苦笑いを浮かべた。
    「僕は子供です…純粋ですから。」
     そう答えて無邪気に笑うソーマの顔を見つめていると、自分の頭の中に浮かんだ一片の疑問など、とてもつまらないモノに思えてくる。この貴方の幸せな笑顔を、少しでも長く見守る事が出来るのなら……私は…。
    「アエルロトさ~ん!皆が待っています、急いでください。」
    笑顔の少年はカボチャをくりぬいて作ったジャック・オー・ランタンの暖かい蜜柑色の光に包まれている。
    満点の星空が美しいタルタロス結界陣に彩りを加えている、今日は大きな満月も笑っているカボチャ灯篭のようだった。

    おしまい。

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